「…これにて、神前の儀を終えさせていただきます」

この町は神主体。
そう、宗教の町。

それが、ロザ。





拒絶 1









「…お疲れ、アーティス」
「姉さん」

普段は姉がしていた仕事。
それを今はアーティスが行っている。

「…身体は、本当に大丈夫?」

ロスアンジェの当主、というくらいだから普通に仕事の量もそこそこあっておかしくないだろう。

「あぁ、そんなに心配されなくても大丈夫だよ」

くくく、と笑いを堪えながら言うリメレアにアーティスは思わず笑った。

「…それにしても、平和だね」
「この町は特に、だろう。
 宗教色が強いから街の人は宗教しか殆ど信じない。
 だからこそ、人々が惑わされることがないんだ」

その代わり。

「…ある意味ではロスアンジェの思うとおりに運んでしまう、というのが怖いのだけどね」
「…そうだね…」

けれど、今、勝手に進ませることなど出来ない。

「今は私たちが世界の監視役を務めているから本当に神直々に神託を受けている状態だからな」
「…でも、いつかはこの宗教も、街も、私たちも、滅んでしまうよね」
「…あぁ、そうだな…。
 遠からず近からず。
 それは、起きるだろう…」

ふとリメレアの顔が歪む。
それを見て、アーティスの顔も少し、歪んだ。

「…この先の未来がある意味で判ってしまっている様なものだ…。
 落ち着かないといえば落ち着かないよ」

こうやって神託を受けて。
やってきたことが間違いだったんじゃないか、って、ふと思う。

「…大丈夫だよ、姉さん」

私も居るし、サタンも居るから。
戦うのは私だけでいいから。

姉さんは、戦わなくて良い。
傷ついて欲しくないから。

「…何があっても」

大丈夫。
絶対。

「…もしかしたら、また、私はこの街を出て行ってしまうかもしれないけど」

けれど、それでも。

「姉さんが頑張って作り上げたこの関係は、絶対的なモノだって、信じてる」

そして、街の人々も。

「みんな、姉さんを信じてくれているから」

だから、私はあの魔石の跡継ぎになるって決めたんだ。
姉さんのために。
姉さんが笑顔で生きていられる為に。





アーティスはシスコンです。(うぉおい
2006/11/24