「…コレを知ってるのはオプリュストだけだかんな…。
 俺は死なねぇさ…ただ…忘れるだけだ」

そういうシェイカの手には、赤、青、黄、黒、白の小さい宝珠があった。

「今までの記憶全てを」

直後、巨大な魔方陣が浮かんだ。







行き先 5









外。
森を走る赤と黒と茶。
ブレウスと舞夜とアーティスである。

(でも…)

確か、あの方法でとめることが出来たはずだ。
だが…。

(それがシェイカに実行できるかどうかは…私も判らない…)

ロスアンジェ秘伝術。
それと似通ったものが、名家のオプリュストにもあるかもしれない。
だが、それを…実行できるかどうかは。

(それは…代償が大きすぎる…!!!!)



「―――!!!」

ブレウスの顔が変わる。

「なんか馬鹿でかい魔力が集まってんだけども」
「これって…シェイカくんの魔力?」
「波動的にはそうだな」

そして、また速度を上げる。



「…我が声を聞き入れ給え・盟約よ」

急速に魔力が集まる。
負った傷が癒えていく。

「望みを聞きいれ・応えよ精霊・我が声に
 願わくば・天より…」
「シェイカっ!!!」

声に、シェイカは詠唱を止めた。
いや、継続はされているのだが一旦止めたのだ。

「…アーティス」

それに、ブレウスと舞夜も。

「…お前…まさか!」
「…そうするしか、俺が生きていられる時間を伸ばすことが出来ないから」

確かにそうだ。
オプリュストの血を引く者は皆そうして生きている。

「…使った魔力を宝珠に封じ込めてそれを繰り越す。
 だから記憶を失っても魔力だけは一層高まる。
 それが…オプリュスト秘伝の術?」

そういったのは誰か。

「…アーティス…何で知って…」
「…?!」

何で知っているとこぼしたシェイカに、ブレウスと舞夜がアーティスを向く。

「…本当なら…黙っておくべきことだった」

私の正体。

「…だけど、シェイカがそんなことをしようというなら私がそれを阻止するわ」

名家、
「ロスアンジェの名にかけて、ね」





失われた4大魔術家。
うちのロスアンジェ。
アーティス・ロスアンジェ。

ロスアンジェの名を持つ、聖職者。






2005/10/23